二重過程理論という、多くの分野で正しいと認められている人間の思考に関する仮説があります。
簡単に言うと、人間の思考には、システム1とシステム2という二つの思考モードが存在する、という考え方です。
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システム1
システム1とは、(人間を含め)動物が広く共通して備えている思考のモードです。
この思考モードは、直観的かつ無意識的に、素早く決定を下す「速い思考」と呼ばれています。
システム2
システム2とは、人間に固有の思考のモードです。
この思考モードは、意識的な制御のもと進み、ゆっくりと判断を下す「遅い思考」と呼ばれています。
システム2の思考モードは、システム1の思考モードをモニターします。
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事例①システム2からシステム1へ
子どもの頃に練習したお箸の使い方や自転車の運転は、最初は難しかったですよね。あるいは武術やスポーツの身体の動かし方などもそうですね。
こうした高度な身体運用・パフォーマンスは、練習を始めた最初の頃はぎこちない動きになっていますが、このとき、まだ意識的な制御を行っているので、システム2が身体のコントロールを行っています。
ところが、練習を重ねていくうちに徐々に意識せずに行えるようになり、最終的には何も考えなくてもできるようになります。
このように、殆ど意識せず行える習慣的な動作は、システム1が行っています。
運動・身体の運用などの制御は、習熟していくにつれて、システム2からシステム1へと移行していきます。
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システム2の特徴
システム2の思考モードで重要な特徴の一つとして、
思考のプロセスが問いと答え(Q&A)の形式で進んでいく、というものがあります。
私たちは無意識の中で、常に何らかの問いを持っていたり、自分に質問を投げかけていて、その答えをいつも考えているのです。
そのため、思考をマスターするために最も重要なのが、このシステム2の思考モードの仕組みに沿って、どんな質問を自分に投げ掛けるかを考えるということです。
質問の重要性
20代の頃、人生における「質問」の重要性を学びました。
そのため、いつも自分の中にある質問を確認するようになりました。
私は今どんな質問を自分に投げ掛けているだろうか?
あなたは普段、どんな質問を自分に投げ掛けているでしょうか?
最後に
人間の思考の仕組みを学び始めるときには、二重過程理論について調べてみることをおすすめします。
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