すべての思考を書き出す習慣について

【心理・精神医学系】

 

今、頭の中に思い浮かんでいることは何だろうか?

私はいま何を考え、感じているだろうか?

 

 

今日は、「すべてを書き出す習慣」という思考を整理するための重要な習慣をご紹介したいと思います。

 

これは、私が10代の頃からずっと続けている習慣なのですが、このシンプルな習慣によって、多大な恩恵を受けることができました。

 

この思考の習慣は、人生を好転させるうえでも大きな効果がありますが、

 

例えば、うつ病をはじめとした気分障害を克服・解消するうえでも重要な意味を持っているので、参考にしてもらえたらと思います。

 

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すべてを書き出す習慣

 

「すべてを書き出す習慣」とは、日常におけるあらゆる思考をすべて書き出す習慣のことです。

 

書き出す内容は以下のように何でもOKで、とにかくあらゆることを書き出します。

 

思考‥‥頭に思い浮かぶこと

感情‥‥今日感じたこと

記憶‥‥思い出したいこと、覚えている事

気付き‥‥気付いたこと

学び‥‥学んだこと

アイディア‥‥思いついたこと

計画‥‥これからの行動の予定

欲求‥‥欲すること、実現したいこと

etc…

 

 

この習慣を実践するときのポイントが2つあります。

 

①思考や感情を頭の中に留めずに吐き出し、常に空っぽにしておく

②自分の内面の感覚を言語化する、言葉で表現する癖を付ける

 

いつも頭の中がクリアな状態になるように、自分の思考・感情や内面の感覚を内側に留めておかずに、言語化して書き出していくことが重要になります。

 

 

思考を書き出すのが大事である理由

 

でも、なぜ自分の思考を書き出すことは重要なのでしょうか?

 

最初に挙げられる理由として、人間にとって「思考する」ということは、殆ど自動的に行われている、という事実があります。

 

実際、私たちは毎日、数千回から数万回ほどの思考を繰り返していると言われています。

 

例えば、カナダのクイーンズ大学の研究チームの実験によると、平均的な人は通常 1 日に 6,000 回以上の思考を行うことがわかっています。

 

■参考;

Nature Commucations

 

※個人的には、この「人間の思考は1日に~回」というときの具体的な数字そのものは、一つの思考をどれくらいの長さで考えるか、という「思考の単位」の取り方によって変わるので、あまり重要ではないと思います。

 

とにかく、一番重要なのは、人間が1日中ずっと思考し続けている、という事実です。

 

これほど夥しい量の思考を繰り返しているのに、それがすべて頭の中に残っているとしたらどうでしょう。

 

いつも頭の中に雑音(ノイズ)が響くようになったり、眼の前の作業に集中できなかったり、感情が麻痺して、自分の本音が分からなくなりやすくなってしまうことも考えられます。

 

そのため、この習慣を通じて特に意識したいのは、

 

頭の中だけで考える➡紙の上で思考する

 

このように思考の仕方を変化させることです。

 

 

 

なにか考え事をするときに、頭の中だけで考えて答えを出そうとするのではなく、思考を紙に書き出し、文字を見ながら、手を使って思考することが重要なのですね。

 

このように、頭の中に浮かぶあらゆる観念を書き出すことで、脳内のノイズが減少します。

 

普段、抑圧している本音をしっかり吐き出すまで行えば、感情を整理することもできます。

 

ざっくり言うと、頭の中がスッキリする効果が期待できるということですね。

 

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すべてを書き出す習慣のメリット

 

ただ、これらは飽くまで一次的なもので、この習慣にはもっと重要な意味があります。

 

それは、頭の中に思い浮かぶあらゆる思考を書き出すことで、自分の思考を(頭の中に留めていく時よりも)客観的に把握することができる、ということです。

 

地味に感じるかもしれませんが、このことから、長期的なスパンで見たとき、絶大なる恩恵を享受することができるんです。

 

まず、幾つか期待できる効果を挙げてみたいと思います。

 

メリット①自己理解が深まる

 

一つ目は、自己理解が深まることです。

 

すべてを書き出す習慣を始めると、自分の思考や感情を毎日のように視覚的に眺め、把握することになります。

 

そうすると、

 

「あの出来事は、すごく嫌だったな」
「そうか、こんな風に感じていたのか」
「本当は、これがやりたかったんだ」
「自分は、ずっと〇〇を信じていたんだな」

 

例えばこんな気付き・学びが大量に得られることになります。

 

私はこの思考を書き留める作業を13年以上続けているんですが、自分の内面に向き合うことによって初めて

 

アイデンティティー:「自分とは何者なのか」
人生の理由:「なぜ、自分は生まれたのか」
人生の目的・使命:「何のために生きればいいか」「自分の使命は何か」
独自の価値観:「本当の意味で、人生で大事にしていること」

 

などなど、こういう自分のことが色々とよく分かって、私なりの「人生の答え」が見つかったんです。

 

今振り返って思うのは、私たちの個々の人生においては、この世界の中で最も価値の高い知識は、間違いなく「自分自身についての理解」だということです。

 

あなたにとっても、恐らくそうではないでしょうか?

 

でも、自分についてのことって、たとえ世界中のあらゆる書物を紐解いても書かれていないんです。

 

あらゆる思考を書き出すことが自分のことをより深く理解することに繋がるので、ぜひこの習慣を続けてみて頂ければと思います。

 

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この習慣には、他にも

 

②心の状態を改善すること

③メタ的な考え方を身に付け、問題解決の力を高める

 

など、様々なメリットがあります。

 

この習慣を身に付けるための、思考を書き出す練習用のワークを用意したので、興味がある方は取り組んでみてください。

 

 

あらゆる思考を書き出すワーク

 

今回のワークは非常にシンプルです。

 

◆ワークのやり方

 

この質問について考え、頭の中に思い浮かぶことをすべて言語化して書き出して下さい。

 

「いま私が考えていることは何か?」
「私の頭に思い浮かんでいることは何だろう?」

 

―――――――――――――――

思考‥‥頭に思い浮かぶこと、
感情‥‥今日感じたことや本音
記憶‥‥覚えたこと、思い出したこと
計画‥‥どのような人生にしたいか
行動‥‥どのような行動を起こすか
認識……気付いたこと、学んだこと
学習……書籍で学んだ言葉・概念・考え、
記録‥‥日々の内省、振り返りなど
etc…

過去のこと、現在のこと、未来のこと、
嬉しいこと、楽しみなこと、嫌なこと、辛いこと、
不安なこと、恐れていること、悩んでいること、解決したいこと、
これからやりたいこと、計画していること、、

自分のこと、社会のこと、学校のこと、仕事のこと、
身体のこと、お金のこと、人間関係のこと、家族関係のこと、、、

―――――――――――――――

 

等々何でもOKです。

 

 

綺麗な文字で書く必要はないので、とにかく書き殴るようにして頭の中にあるものをすべて吐き出すようにしてください。

 

このワークには完了の目安があります。

 

「完全に頭の中が空っぽになった」
「これ以上何も頭に思い浮かばない」

 

と思えるまで、書き出してみてください。

 

また、特にうつ病を経験している方の中には、普段、無意識に感情を抑え込んでしまっている人も多いので、こういう場合は、自分の本音や感情を吐き出すことを意識してみて下さい。

 

 

最後に

 

私の場合、日常における思考をすべて書き出すようになってから、

 

自分が普段何を考えているのか、どんな感情を持っているのか、どんなことを望んでいるか、、、

 

こうしたことをすべて把握できるようになりました。

 

思考をすべて書き出すことで、毎日多くの気付きを得て、多くの事を学び、自分のことをより深く理解できるようになったのです。

 

この習慣は、人生をより充実したものにするうえで基盤となるものなので、ぜひ試してもらえたらと思います。

 

少しでもご参考になれば嬉しいです。

 

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