「考え方の集合」を考えよう│メタ思考ができる思考ツール紹介

【参照平面】解説

 

こんにちは、馬渕です。

 

ここでは、私が普段使用しているメインの思考方法の一つをご紹介したいと思います。

 

当サイトでメインでご紹介している【参照平面】という概念を使用した方法論です。

 

この方法は、あらゆる問題解決シーンにおいて、「概念の集合=考え方の集合」を想定し、既存の考え方に囚われずに思考を進め、新しい考え方を生み出すための契機とするものです。

 

「考え方の集合」を考えることによって、メタ思考を促進するのが最大のポイントです。

 

この思考方法は、非常に汎用性が高く、あらゆる分野で活用することができ、また様々な問題解決シーンにおいて高い効果を発揮します。

 

あなたがどの分野に携わる方でも、きっとお役に立つと思うので、最後までお読み頂けたら嬉しいです。

 

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動画解説

 

 

 

ここでは、メタ思考を進めるために3つの手順で考えていきます。

 

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ステップ①「考え方の集合」を考える

ステップ②「既知の考え方/未知の考え方」を分類する

ステップ③「既知の考え方」を疑い、「新しい考え方」へ遷移する

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ステップ①「考え方の集合」を考える

 

ステップ①「考え方の集合」を考える

 

まず、次のような「考え方の集合」を考えてみます。

 

【考え方の集合】={考え方1,考え方2,考え方3,‥‥‥考え方n}

 

 

考え方の集合の事例

問題、問い、解、メタ、抽象、具体、前提、帰結、根拠、結論、場合、条件、分岐、パターン、観点、焦点、像、定義、分類、包摂、配置、分離、接続、分割、統合、全体、部分、構造、体系、要素、集合、順序、推移、変化、過程、変換、置換、識別、判断、評価、決定、解釈、認識、自覚、懐疑、明晰、不明瞭、明確、曖昧、十全、比較、対照、類推、推論(帰納、演繹など)、量的(単数、複数など)、質的、関係性(同等、類似、相違)、可能性(必然、偶然、蓋然)、仮定、仮説、理論、証明、論証、問題解決(現状、目標、計画、設計、戦略)、曲線、収束、発散etc…

 

この考え方の集合の中には、例えば

 

「現在の自分の考え方」「一人称的な、主観的な考え方」「自分以外の人々の考え方」「思い込みに囚われた誤った考え方」「当の問題を解決するうえで適切な考え方」

 

などなど、色々な要素=考え方が含まれています。

 

学問分野のリストを作成してみると、例えば

 

概念の集合の事例

哲学的な観点
(実在論、倫理学、唯物論、現象学、実存主義、形而上学、認識論、功利主義、相対主義、規範倫理)

数学的な観点
(集合、位相、代数、微積分、数論、確率、統計、線形代数、数理論理学、幾何学)

論理学的な観点
(演繹、帰納、推論、命題、矛盾、対偶、排中律、三段論法、論理式、同値)

心理学的な観点
(無意識、行動主義、認知行動療法、自己効力感、パーソナリティ、感情知能、発達心理学、社会心理学、動機づけ、トラウマ)

認知科学的な観点
(情報処理モデル、メンタルモデル、認知地図、パターン認識、デュアルプロセス理論、ワーキングメモリ、概念形成、知覚、学習理論、言語理解)

神経科学的な観点
(ニューロン、神経可塑性、シナプス、脳波、神経伝達物質、大脳皮質、海馬、前頭前野、ドーパミン、神経回路)

医学的な観点
(疫学、病理学、予防医学、診断、治療、遺伝医学、感染症、外科、内科、リハビリテーション)

政治的な観点
(リベラリズム、保守主義、権威主義、民主主義、ナショナリズム、社会主義、共和主義、君主制、全体主義、アナキズム)

物理学的な観点
(力学、量子力学、相対性理論、熱力学、電磁気学、素粒子物理学、流体力学、光学、音響学、物質科学)

生物学的な観点
(進化、遺伝子、細胞分裂、免疫系、生態系、自然選択、遺伝子発現、タンパク質合成、代謝、シグナル伝達)

統計学的な観点
(標本、確率分布、回帰分析、仮説検定、偏差、相関、分散分析、モンテカルロ法、ベイズ推定、信頼区間)

経済学的な観点
(需要/供給、市場均衡、インフレーション、効用、国民所得、比較優位、機会費用、限界効用、外部性、貿易)

社会学的な観点
(社会構造、社会階級、再生産、文化資本、役割理論、コミュニティ、社会運動、ジェンダー、階層化、都市化、社会化)

人口学的な観点
(出生率、死亡率、識字率、人口ピラミッド、移民、老齢化、人口分布、家族構造、人口爆発、出生率低下、都市化、世帯構成)

財政学的な観点
(公共財、税収、政府支出、財政赤字、国債、累進課税、補助金、財政政策、税制改革、社会保障)

 

 

そして、この考え方の集合の中には、当該の問題を解決するうえで最適な考え方も含まれているのです。

 

※補足;数学ほど、厳密に「集合」を考える訳ではないので、集合論の教科書などで登場するような「集まり」として解釈してもらえたらと思います。

 

 

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ステップ②「既知の考え方/未知の考え方」を分類する

 

ステップ②「既知の考え方/未知の考え方」を分類する

 

この「考え方の集合」のなかで、あなたにとっての既知の考え方(既存の考え方)と未知の考え方(新しい考え方)を分けていきます。

 

既知/未知の分類のなかで、特に「未知の考え方」のなかに、当該の問題を解決するうえで必要な最適な考え方が含まれています。

 

補足;学校の授業などで使う場合(例)

「個々の生徒にとっての既知の考え方/未知の考え方」という解釈もできますし、あるいは「このクラス全員にとっての既知の考え方/未知の考え方」という使い方も可能です。

 

 

私は、あらゆる問題解決シーンにおいて、このような「考え方の集合」を用いる考え方を社会に広めたいと思っています。

 

後に触れる通り、この思考方法によって、思い込みを疑うこと/未知の考え方に意識を向けること/メタ的に思考できること等が原理的に確保されるからです。

 

例えば、学生が何かの科目の勉強をするときも、企業が抱えている課題を解消するために会議をするときも、私たちが自分の人生について考えるときも、この思考方法を使うことが可能です。

 

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ステップ③「既存の考え方」から「新しい考え方」へ

 

ステップ③「既知の考え方」に囚われず、次々と「新しい考え方」へ遷移する

 

このように「考え方の集合」を準備した後、次に目標にしたいのが

 

「現在の、自分の考え方」に囚われずに、次々と新しい考え方に移行(遷移)していくことです。

 

なぜ、このような考え方が必要かというと、私たちは常に何らかの信念や思い込みを持っているからです。

 

この信念(信じていること)や思い込みは、我々が直面する問題の解決を妨げる最大の障害です。

 

参照平面=「考え方の集合」というシステムを使えば、必ず何らかの思い込みを含んでいる、「現在の自分の考え方」を疑うことが原理的に保証されます。

 

これは、現代において数百もの種類が知られている、認知バイアス(思い込み)を回避するために私が社会に広めたい解決策の一つです。

 

 

この集合上の要素を次々と移行するとき、最大のポイントになるのが、問い(質問)を立てることです。

 

人間の思考は「問い」によって導かれ、その内容や方向性が決定されるからです。

 

そのため、「考え方の集合」のなかで次々と新しい要素=考え方に移行するため、こんな風に質問を投げ掛けます。

 

質問①現在の自分の考え方には、どんな思い込みがあるだろうか?

質問②自分にとっての未知の考え方(新しい考え方)とは何だろうか?

 

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以上で、当サイトでのメタ思考の基本的な考え方をお伝え出来ました。

 

 

問題解決の絶対ルール

 

少し補足になるのですが、実践上で大事なポイントに触れておきたいと思います。

 

問題解決には、次のような重要なルールがあります。

 

問題を解決するためには、(当の問題に対して)適切な考え方を選択しなければならない。

 

このルールは、改めて書く必要がない程自明なことかもしれないのですが、この記事でお話ししているメタ思考の方法を使いこなすために必ず必要になるものなんです。

 

【考え方の集合】={考え方1,考え方2,考え方3,‥‥‥考え方n}

 

こうした考え方の集合を構成する「未知の考え方」(新しい考え方)のなかには、あなたが直面している問題を解決するための適切な考え方が含まれています。

 

ということは、私たちが考えるべきことは、やはり「現在の自分の考え方」に囚われずに「新しい考え方」を意識することであり、

 

この「考え方の集合」を構成する様々な個々の要素を、次々と移行(遷移)することなのですね。

 

 

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「考え方の集合」を考えるメリット

 

「考え方の集合」という考え方を採用すると、非常に様々なメリットが得られます。

 

メリット①メタ的な思考が可能になり、問題解決力が高まる

 

「考え方の集合」を考えることによって、問題解決の力を高める効果が期待できます。

 

というのも、前述の通り、この「考え方の集合」というシステム内では、

 

「現在の自分の考え方」に固執せずに、次々と新しい考え方に移行(遷移)していくことを前提としているからです。

 

問題解決の可能性を高めるためには、

 

思い込みを疑うこと(メリット②)

新しい考え方を意識すること(メリット③)

 

この2つの点がとても重要になります。

 

メリット②既知の考え方(自分の考え方など)を疑うことができる

 

問題解決において、思い込みを疑うことは極めて重要だと言えます。

 

なぜなら、私たちが問題解決に取り組むとき、もし思い込みを完全に排することができていれば、問題を解決できている可能性が高いからです。

 

思い込みは、普段は基本的に意識することができません。

 

この「意識することができない」という特徴こそ、思い込みの厄介なところです。

 

ところが、「考え方の集合」を考えることによって、自分の考え方は相対化され、思い込みを疑うことが原理的に保証されるのです。

 

この考え方は、認知バイアス(思い込み)を回避するうえでも極めて有効です。

 

メリット③未知の考え方(新しい考え方)を意識できる

 

この「考え方の集合」では、必ず自分にとっての未知の考え方(新しい考え方)があることを想定します。

 

そのため、システム的に新しい考え方を創造することに意識が向きことが保証されます。

 

問題を解決できるのは、既存の古い考え方ではなく、自分にとっての新しい考え方です。

 

だからこそ、常に新しい考え方を含む「考え方の集合」を概念としてもっておくことが重要になります。

 

「考え方の集合」を用いたメタ思考の練習ワーク

 

最後に、メタ思考の練習用ワークを用意しました。

 

ぜひゆっくり取り組んでみて下さい。

 

ステップ0.プロブレムリストの作成

 

あなたが解決したい問題をリストアップして下さい。

 

ステップ1.現在の考え方を書き留める

 

あなたの現在の考え方を書き出して下さい。

 

「考え方1」「考え方2」「仮説1」など。

 

ステップ2.新しい考え方をイメージする

 

その問題を解決するための新しい考え方を考えてみて下さい。

 

 

「考え方の集合」をどう構成するか?

 

この記事をお読み頂くと、

 

「そもそも、どうやって「考え方の集合」というものを考えればいいのだろうか?」

 

と疑問に思う方もいるかもしれません。

 

この「考え方の集合」という方法論は、当サイトで重要な用語としてご紹介している【参照平面】という概念を使うことで、実現することができます。

 

【参照平面】とは、「概念の集合」から構成された平面を意味するものなのですが、

 

この「概念の集合」を「考え方の集合」として扱うことが可能なのです。

 

※概念は、人間の持つあらゆる「考え方」を表現し得るものだからです。

 

【参照平面】=「概念の集合」から構成された平面=「考え方の集合」から構成された平面ということですね。

 

【参照平面】については、こちらをご覧ください。

【参照平面】について;考え方まとめ
このページでは、【参照平面】という概念に関する詳細な解説を掲載しています。 現在、私はこの概念の認知度を高め社会に広めるための活動に取り組んでいます。 当サイトでは、【参照平面】を最も重要な概念として紹介したいと思います。 ...

 

 

未知の考え方(新しい考え方)を生み出す方法論

 

この記事でお伝えしてきた「考え方の集合」という思考方法は、実はまだこれで終わりではありません。

 

最後に、一番大きな難問が残っているのです。

 

それは、問題解決シーンにおいて、

 

「考え方の集合」を構成する要素のなかで、どのようにして当の問題を解決するために必要な適切な未知の考え方(新しい考え方)を導き出すか?

 

というものです。

 

これは難問中の難問です。

 

というのも、もし、あらゆる問題に対して有効なこんな方法が存在したら、地球上のあらゆる問題が解決するわけで、勿論基本的には不可能だからです。

 

しかし、こうした問題解決のための新しい考え方(未知の考え方)を狙い通りに生み出すことは、近似的には可能なのです。

 

私はこれまで十年以上の時間を掛けて、こうした新しい思考方法の開発に取り組んできました。

 

このサイトでは、【未概念法】という方法論をご紹介していていますが、

 

この【未概念法】こそ、私が提供できる、あらゆる問題の解決のために、より自由に(近似的に)新しい考え方を創造するための方法論です。

 

【未概念法】は、非常に強力な考え方ですが、使いこなすのがかなり難しいです。

 

ただ、もしこの方法論の感覚を掴むことができれば、問題解決のための思考力が短期間で飛躍的に向上します。

 

この【未概念法】については、当サイトの【思考法講座Ⅱ】で扱っています。

 

また別の記事でお話ししていくので、ぜひお読み頂ければと思います。

 

最後に

 

 

【ご質問&ご感想フォーム】

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