このページでは、【参照平面】という概念に関する詳細な解説を掲載しています。
現在、私はこの概念の認知度を高め社会に広めるための活動に取り組んでいます。
当サイトでは、【参照平面】を最も重要な概念として紹介したいと思います。
抽象的で少し難しい考え方ですが、この概念は、恐らくあなたがどんな分野に携わる方であっても役立つものであるため、お読み頂けたら幸いです。
※この記事は、全体または一部を加筆・修正中です。ご了承ください。
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特にこの記事を読んでほしい方
・自由な考え方に関心がある方
・教育(学)に関心がある方
・教師、塾講師など教育に携わる方
・大学の教員・教授をされている方
・哲学、認知科学などに関心がある方
・多角的な視点から考えることに関心がある方
・超学際(TD;トランスディシプリナリティー)の研究者の方
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【参照平面】の基本コンセプト
【参照平面】という概念は、「無限に多様な概念&パースペクティヴの集合」という考え方を基本的なコンセプトに据えています。
この考え方は「光学レンズ」に喩えるとわかりやすいかもしれません。
【参照平面】とは言わば「光学的なレンズの集合体」であり、「無限に多様なレンズの集合体から構成された平面」である、というのが正確なイメージです。
【参照平面】は、あらゆる「対象」や「問題」を、光源としての無限に多様な異なる概念や観点(パースペクティヴ)から照射し、眺めることを主眼におく、光をモチーフとした概念です。
【参照平面】の可能性
この概念の基本的なコンセプトである「無限に多様な概念&パースペクティヴの集合」という考え方を用いることで、例えば、このようなメリットが得られます。
✓現代社会の複雑な問題を多角的に理解・把握できる
✓言葉や文章(テキスト)のもつ多義性を十全に把握する
✓思い込み、主観性、認知バイアスを原理的に回避・解消できる
✓あらゆる分野・テーマの問題解決において共通言語・ツールとして活用できる
✓人間が直面するあらゆる問題・テーマに対して、より自由に思考できる
✓対話や議論における前提やパースペクティヴを共有できる
etc…
この概念は、社会的に広く共有し、役立ててもらえるように開発したものであり、様々な学問、分野、テーマに応用することが可能です。
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【参照平面】の二つの定義
【参照平面】には、「無限に多様な概念&パースペクティヴの集合」というコンセプトを中心として、次の二種類の定義があります。
第一の定義は「観点の集合」を、第二の定義は「概念の集合」を、
それぞれ前提としています。
◆第一の定義
◆第二の定義
このように、【参照平面】は2種類の基本的な要素から構成されます。
【参照平面】第一の定義
第一の定義による【参照平面】では、まず多様な観点の集合(パースペクティヴの集合)を考えたうえで、さらに、それらから構成された「平面」を考えます。
上図における青色・赤色・白色・黒色の各点は、目の前の物体や現象に対する多様な観点(パースペクティヴ)を表現しています。
例えば、目の前にサイコロのような立方体があったとしましょう。
この立方体を眺め捉えるうえで、どのような視点や観点(パースペクティヴ)が考えられるでしょうか。
例えば、
・数センチほどの近接的な観点(パースペクティヴ)
・数キロメートル離れた遠隔的観点(パースペクティヴ)
・水平、垂直、斜めなどの多様な視角からの観点(パースペクティヴ)
etc…
サイコロには1~6までの目が刻まれており、どのような観点から眺めるかによって、認識できる面は異なるでしょう。
そして、このようなサイコロに関して考え得るあらゆるパースペクティヴから構成された平面を考えます。
これが第一の定義による参照平面です。
※詳細はこちら
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【参照平面】第二の定義
【参照平面】の第二の定義では、まず多様な概念の集合を考え、さらに、それらから構成された「平面」を考えます。
第一の定義では、「観点の集合」を考えましたが、第二の定義では、「概念の集合」を考えてみよう、ということですね。
このとき、
メタ的/抽象的/具体的な視点
時間的/空間的/絶対的/相対的/量的/質的など
人称的/精神的/物質的/長期的/短期的/
例えば、「現代社会が抱える問題」というテーマについて考えるとき、
概念の集合の事例(簡易)
哲学 -形而上学、存在論、認識論、観念論、唯物論、合理主義、経験主義、現象学etc..
(無知の知、存在/無、形相/質料、イデア、知覚論、実存、弁証法、プラグマティズム、スコラ哲学、エポケー、脱構築、主体性、アポリアetc…)
数学 -幾何学、代数学、解析学etc..
(無知の知、存在/無、形相/質料、イデア、知覚論、観念論、唯物論、合理主義、経験主義、実存、弁証法、現象学、プラグマティズム、スコラ哲学、エポケー、脱構築、主体性、アポリア)
論理学 -述語論理、命題論理、数理論理学etc..
(前提、帰結、推論、命題、真偽、肯定/否定、演算、真理値、論理式、帰納/演繹法、逆、裏、対偶、仮定、同値、包含、矛盾、誤謬、論理関数、量化子、命題変数etc…)
言語学 -音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論etc..
(音素、形態素、語幹、接辞、文法、構文、語彙、形態、語法、音声、音韻、語彙意味、構造、名詞句、動詞句、文の要素、統語関係、語順、言語機能、言語変異、e)
心理学 -精神分析、行動主義、発達心理学etc..
(意識、無意識、思考、感情、学習、記憶、古典的条件付け、オペラント条件付け、エス/自我/超自我、認知地図、知覚の恒常性、パーソナリティ理論、自己実現、心の理論、強化スケジュール、)
認知科学 -
(知覚、注意、記憶、思考、言語、意思決定、学習、問題解決、スキーマ、認知バイアス、認知的不協和、認知発達、パターン認識、知識表現、認知モデル、認知処理etc…)
統計学 -ミクロ経済学、マクロ経済学、経済政策、経済理論
(神の見えざる手、需要曲線、供給曲線、価格の弾力性、限界効用、パレート効率、総需要、総供給、貯蓄率、資本の限界生産性、乗数効果、機会費用、比較優位、インフレーション、デフレーション、フィリップス曲線、ケインジアン経済学、新古典派経済学、再分配政策、ゲーム理論)
経済学 -ミクロ経済学、マクロ経済学、経済政策、経済理論
(神の見えざる手、需要曲線、供給曲線、価格の弾力性、限界効用、パレート効率、総需要、総供給、貯蓄率、資本の限界生産性、乗数効果、機会費用、比較優位、インフレーション、デフレーション、フィリップス曲線、ケインジアン経済学、新古典派経済学、再分配政策、ゲーム理論)
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物理学 -力学、電磁気学、熱力学、量子力学、相対性理論、標準模型etc…
(速度、質量、加速度、ニュートンの運動法則、万有引力の法則、マクスウェル方程式、熱力学第二法則、シュレーディンガー方程式、プランク定数、エントロピー、電子スピン、光量子、量子トンネル効果、パウリの排他原理、ボーアモデル、ヒッグス機構、超対称性、不確定性原理、etc…)
化学 – 無機化学、有機化学、物理化学、分析化学
(原子軌道、モル濃度、化学平衡、電気陰性度、共有結合、イオン結合、酸化還元反応、酸・塩基、ファンデルワールス力、水素結合、化学反応速度、触媒、電解質、同位体、結晶構造、分子軌道理論、ギブス自由エネルギー、エントロピー、ハイブリッド軌道、放射年代測定etc…)
生物学 -遺伝学、生態学、生理学、発生学
(細胞、遺伝子、DNA複製、RNA転写、タンパク質合成、細胞分裂、無性生殖、有性生殖、ミトコンドリア、葉緑体、免疫反応、共進化、自然選択、適応、遺伝子プール、ホメオスタシス、進化、形態形成、個体群動態、相互作用、食物連鎖etc…)
生理学
(細胞、組織、臓器、系統、ホルモン、神経伝達、心拍数、呼吸、血圧、体温、代謝、エネルギー、酸素供給、栄養素、体液バランス、筋肉収縮、神経系、内分泌系、循環系、消化系、etc…)
神経科学 -神経生理学、神経心理学、行動神経科学、認知神経科学
(ニューロン、グリア、神経伝達物質、シナプス、シナプス可塑性、受容体、活動電位、ドーパミン、セロトニン、グルタミン酸、GABA、ミエリン、大脳皮質、海馬、脳幹、皮質下核、視覚野、運動野、脳波etc…)
免疫学
(自然免疫、獲得免疫、抗原、抗体、免疫細胞、サイトカイン、補体、リンパ球、ナチュラルキラー細胞、B細胞、T細胞、マクロファージ、樹状細胞、自己免疫、免疫寛容、免疫応答、免疫記憶、抗原提示etc…)
遺伝子学
(DNA、RNA、遺伝子、コドン、発現、クロマチン、転写、翻訳、エピジェネティクス、ミューテーション(突然変異)、遺伝子多型、遺伝暗号、染色体、遺伝子組み換え、遺伝子編集、遺伝子型etc…)
地質学
(鉱物結晶構造、マグマ、地殻の構成、地層形成、層序学、地質年代、プレートテクトニクス、プレート境界、火山活動、火山弧、リフト谷、地殻変動、侵食作用、風化作用、堆積過程、鉱床形成、化石化、放射年代測定、造山運動、地震波etc…)
天文学
宇宙論、恒星天文学、銀河天文学、惑星科学
(ケプラーの法則、太陽系外惑星、恒星進化、ホワイトドワーフ、赤色巨星、超新星、惑星、銀河、銀河団、クェーサー、ブラックホール、ブラックホール、ダークマター、ビッグバン理論ビッグバン、膨張宇宙、暗黒物質、太陽風、ハッブル定数、宇宙の加速膨張、宇宙マイクロ波背景放射、重力レンズ効果、オーロラetc…)
このような様々な観点(パースペクティヴ)が考えられます。
こうしたパースペクティヴは、実際には、特定の「概念」によって表現されます。
そのため、以下の図のように、我々が直面する問題や考察したいテーマに対して無限に多様な「概念の集合」を想定し、思考を進めていこう、というのが基本的な発想です。
※詳細はこちら
概念の最大の意義
こうした考え方は、いったいどのように役立つでしょうか。
【参照平面】の基本コンセプトは、無限に多様な概念&パースペクティヴの集合というものでした。
【参照平面】は、この考え方によって、定義上、目の前の物体的な「対象」や考察したい「問題」について、考え得る限りあらゆる側面、あらゆる像を顕在的、あるいは潜在的な形で含む訳です。
簡単に言えば、【参照平面】という概念を用いる限り、事物や問題に対して理解・把握・認識できない像や側面は存在しなくなるということですね。
既知と未知の区分
実際には、我々の思考力や知性は有限であるため、無限に多様な概念&パースペクティヴの集合を持つことは事実上できません。
そのため、【参照平面】の枠組みでは、無限に多様な概念&パースペクティヴの集合を
「既知のもの/未知のもの」に分類します。
ここで【K領域/U領域】という重要な区分を導入します。
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「K領域」とは、既知の領域(known area)を意味します。
ここには、既知の概念&観点(パースペクティヴ)や既存の知識・情報・理解・考え方・アイディアなどが含まれます。
「U領域」とは、未知の領域(unknown area)を意味します。
ここには、未知の概念&観点(パースペクティヴ)や未知の知識・情報・理解・考え方・アイディアなどが含まれます。
【参照平面】を構成する無限に多様な概念&パースペクティヴの集合は、
①K領域に属する、既知の概念&パースペクティヴ
②U領域に属する、未知の概念&パースペクティヴ
に区分・配分されます。
【参照平面】の枠組みでは、無限に多様な概念&パースペクティヴの集合を既知の領域/未知の領域に配分したうえで、
複雑な問題・テーマの十全な理解・記述、解決を促進することを目指します。
参照平面には、色々な意味・使用法があります。
【参照平面】の表示機能
参照平面の定義には、「平面」という定義が含まれています。
これは意図的なもので、単なる観点&概念の集合を考えるだけでなく、それを平面上に掲載することによって、さまざまな応用方法が生まれるのです。
こちらで、平面の定義の目的について紹介しています。
最後に
ここまでの記述で、かなり大まかにですが、参照平面の枠組みの基本的なコンセプトを解説することができました。
この概念を具体的にどのように応用できるかについては、また他の記事で紹介していくので、ぜひお読み頂ければと思います。
ご質問・ご感想などありましたら、コメント等気軽にお寄せください。
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もしご興味持っていただいた方は、こちらの記事をご覧下さい。
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