概念空間には幾つかの種類を考えることができます。
ここでは、その代表的な事例を挙げてみます。
概念空間の種類
■1.個人の持つ私的な概念空間
まず私たち人間の各人の概念空間というものが考えられます。
人間はこの世界に生れ落ち、幼児から大人になる過程で、様々な概念を形成・獲得・蓄積していきますが、
これらの概念群から構成される概念空間を考えられます。
これはプライベート(私的)でパーソナル(人称に帰属される)な概念空間です。
各人がどのような概念群を持つかは、その人が受けた教育/価値観/学習の興味の範囲などにより大きく左右されるものであるため、かなり個人差があると言えます。
※もちろん、共通して保有する概念も多くあります。
例えば、哲学の研究者は、一般の人より多く哲学の概念を保持しているし、物理学の学者は物理概念について他の人々より精通しているでしょう。
このように考えると、「個々人の異なる概念空間」というものを想定することには大きな意義があるのではないかと思います。
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■2.人類にとっての概念空間
もっと広い捉え方では、人類がこれまでの歴史的なプロセスのなかで作り出した諸々の概念からなる概念空間も考えられます。
人類の概念空間の中では、あらゆる概念が生成・消滅を繰り返しているものと考えることができます。
例えば、ある時代まで支配的な地位にあった概念でも、他のより包括的で有用な概念が登場することで淘汰されることがある、という具合です。
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■3.宇宙に実在する概念の空間
宇宙空間に、諸々の概念が集まっている物理的に実在する空間があるとすれば、それは概念空間と呼ぶことができます。
※例えば、数学者の中には、プラトンが唱えたイデアのように、図形(三角形など)や数字の概念が、宇宙空間に実在すると信じている人がいるそうです。
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■4.抽象的な概念空間
最後に、一般化または抽象的された概念空間を挙げられます。
特に断りなく概念空間といった場合は、この一般化された概念空間のことを指しているとお考え下さい。
具体的な概念空間について触れる場合、私は「私たちのプライベートな概念空間」とか「学問的な概念空間」という風に書いたり話すようにしています。
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