こんにちは、馬渕です。
こちらの記事で、自由な思考には、大きく二つの意味がある、とお話ししました。

1.新しい認識の変化を引き起こせる思考
2.あらゆる思い込みに囚われない思考
ここでは、二つ目の意味について。
自由な思考とは、あらゆる思い込みに囚われない思考のことを意味します。
これは直観的に理解しやすいものだと思います。
あらゆる思い込みに囚われずに考えられるということが、自由に思考できる、ということなんですね。
ところが、私たちにとって、思い込みを疑うことほど難しいことはありません。
アインシュタインは、こんな言葉を遺しています。
It is easier to break the atom than to destroy prejudice.
(原子を砕くより、偏見(思い込み)を破壊することの方が困難である。)
―――アルバート・アインシュタイン
なぜ、思い込みを疑うことは、それほど難しいのでしょうか?
思い込みには、面白くもあり、厄介でもあるような性質があります。
それは、思い込みは、完全な意識下(無意識)の領域に隠れているため、普段は全く意識することができない、というものです。
私たち人間の意識や認識というのは、多層的にできているのですが、
容易には見付けられないような、深い場所へと、思い込みは沈んでいってしまう。
だから、自覚することがとても難しいのです。
このような、自覚することが困難な思い込みに囚われずに考えるということが、自由に思考する、ということなのです。
・・・
もう少し、思い込みについて考えてみたいと思います。
思い込みの影響
思い込みには、様々な機能があります。
プラス面に焦点を当てると、思い込みは、私たちの認識を安定化することに貢献しています。
そして、自分という存在や、世界を理解・解釈するためのモデルとして役立っている。
ところが、思い込みには非常に大きなマイナス面もあるのです。
それは、思い込みがあると、
既知の枠組み(モデル)から➡未知の枠組み(モデル)に移行することができなくなる
ということです。
こちらの図を見て下さい。

左側は既知の枠組み・モデルで、右側は未知の枠組み・モデルです。
もし、私たちが十分に自由な考え方ができれば、
既知の枠組み・モデルから、未知の枠組み・モデルへとシフトすることができます。
そして、その瞬間、新しい認識の変化を引き起こすことができます。
https://mabuchi-gainen.com/cognitive-shift/
※認識の変化(例)
「わかった!」「なるほど!」「(問題が)解けた!」
ところが、思い込みというものがあると、
この既知の枠組み・モデルから未知の枠組み・モデルへと、
移行することができなくなってしまうんです。
なぜなら、思い込みによって、
既知の枠組み・モデルに対しては確証バイアスが働き、
未知の枠組み・モデルに対しては保守性バイアスが作用し、
そして変化を引き起こすことに対しては、現状維持のバイアスが、、、
etc…
というように何重にも認識が固定(ロック)されてしまうからです。
・・・
さらに、思い込みには、重大な負の側面があります。
それは、強い思い込みがあると、
既知の枠組み・モデルによって、未知のものが覆い隠されてしまい、
新しい何かとの出会いは存在ごと消し去られ、その果てに、完全に未知の可能性を忘却させてしまう、
ということです。
・・・
これまで、私は15年ほど思い込みの研究を続けてきました。
世界中で、最も強固な信念とは、こういうものです。
「自分の考えは、絶対に正しい」
「われわれが間違っていることなど、ありえない」
「間違っているのは、___」
殆どの人々にとって、
既知の枠組み・モデルというのは、教義(ドクトリン)である
といっても過言ではないと思います。
人生について、自分について、他者について、過去の出来事について、未来の可能性について、
誰もが信仰を持っていて、あまりにも頑なに、自分の考え方が正しいと信じてしまっている…。
もちろん、何を信じるのも自由なのですが、その人の持つ本来の可能性も、存在しないことにされてしまいます。
自由に思考することは、あらゆる思い込みを疑うことであり、
それは自分自身を開放するものであり、
他者との新しい繋がりをつくるものでもあり、
未来の可能性を思い出すこと・回復させることでもあります。

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