概念空間論とは何かを分かりやすく解説

【概念空間論】

 

こんにちは、馬渕です。

 

私は当ブログやYoutubeチャンネルのなかで、概念空間論という考え方をご紹介しています。

 

こちらのページでは、概念空間論とはどういう考え方なのかを分かりやすくご紹介します。

 

概念空間論とはなにか

 

概念空間論とは何か…?

 

一言でいうと、

 

概念空間論とは、概念の集合(概念のグループ)を扱うための体系的な理論(枠組み)です。

 

「概念の集合」というと、抽象的でイメージがしにくいですが、表現を変えると、

 

私たちが「思考(考えること)をするために用いる言葉のグループのこと」だと思ってもらえればOKです。

 

言葉には「名前=ラベル」の部分と、それが意味する「観念」の部分とがあり、後者の「観念」を指して「概念」と呼ぶこともできると思いますが、ここではあまり厳密に区別せずに使っています。

 

例えば、私たちは日常的にこのような言葉を使うことがあります。

 

概念の集合の事例

人間、動物、神、三角形、自然数、円柱、善悪、机、鉛筆、りんごetc…

 

これらの言葉を使って、私たちはこんな風に考えることがあります。

 

人間とは何だろうか?」

「人間と動物の最大の違いとは何だろう?」

「この世界には存在するだろうか?」

三角形はどんな性質を持っているだろう?」

善悪は、何によって決まるのだろうか?」

etc…

 

このように、「考えること」を行うために使っている言葉やその観念を、ここでは概念と呼んでいます。

 

概念の集合の事例

人間、動物、神、三角形、自然数、円柱、善悪、机、鉛筆、りんごetc…

 

これは飽くまで一つの例にすぎませんが、概念の集合の事例と言えます。

 

また例えば、高校や大学で数学を学んだ方であれば、次のような概念を用いて「考える」ということをしていると思います。

 

概念の集合の事例

項、係数、文字、四則演算、展開、因数分解…
自然数、整数、有理数、無理数、実数、虚数、複素数…
関数、写像、グラフ、傾き、定義域、値域、最大値、最小値…
方程式、左辺、右辺、既知数/未知数、解…
点、線分、直線、曲線、辺、頂点、角度…
極限、無限小、導関数、微分、接線、極大、極小、積分…
ベクトル、線形写像、線形空間、対角化、固有値…

 

これらは数学で用いられる概念群であり、私が提唱している概念空間論では、このように様々な概念をまとめたものを、概念の集合として考えます。

 

概念空間論では、数学的な用語を少し使用してはいるものの、実際に数学をやりたい訳ではなく、概念の集合といっても、概念を集合論的に扱う訳ではないので、ご注意ください。

 

・・・

 

概念空間論の目的

 

概念空間論には、はっきりとした目的があります。

 

それは、私たち人間が「考える」ことをするときの「自由度」を、極限まで引き上げることです。

 

概念空間論とは、物事について極限まで自由に思考するための哲学理論なのです。

 

なぜ、物事についてより自由に思考することを目指すのかというと、

 

一言で言ってしまえば、人間の思考とは本来的に、とても不自由なものだからです。

 

人間の思考の不自由さは様々なシーンで現れます。

 

思い込み、認知バイアスの重要性

 

人間の思考が、実はとても不自由なものなのだということは、

 

例えば、現在数百もの種類が知られている「認知バイアス」のような言葉がハッキリと証明していると言えるでしょう。

 

もうかれこれ約14年ほどになりますが、私(馬渕)は10代の頃からずっと、人間が持つ「思い込み」についての研究を続けてきました。

 

概念空間論は、こうした「思い込み」「認知バイアス」を原理的なレベルで解除することができる体系的なシステムとしての側面を持っています。

 

新しいアイディアを創造すること

 

また、ほかにも「自由に思考すること」は様々な意味を持っています。

 

例えば、何か学問上のとても難しい問題を解くために、「全く新しいアイディア」が必要になることがあります。

 

しかし、どんな分野であれ、新しい画期的な理論を構築することが極めて困難であることは、恐らく研究者の方であれば同意されるでしょう。

 

また例えば、学生時代に、幾何学の証明問題で、なかなか適切な答えが見つからずに問題を解くことができなかった、という経験をしている人もいるかもしれません。

 

このように、何かの問題について「わからない」状態とは、ある意味で、思考の自由が奪われてしまっている「不自由さ」を含む状態だと言えます。

 

しかし、私たちがもし「極限まで自由に思考すること」が可能であったら、どうなるでしょうか?

 

恐らく、新しいアイディア(未知の概念)を無尽蔵に生み出せるでしょう。

 

こうした意味での思考の自由さ、また不自由さの問題についても、概念空間論で解決することができます。

 

例えば、概念空間論には、新しいアイディア(未知の概念)を連続的に生み出すことができる方法論(未概念法)があります。

 

概念空間論は、こうしたテーマに限らず、ほかにも様々なテーマに応用が可能です。

 

ともかく、概念空間論とは、様々な意味で極限まで自由に思考することを重視する哲学理論である、ということを覚えておいていただけたら嬉しいです。

 

自由に思考するために必要なもの

 

では、物事について考えるうえで、とにかく極限まで自由に思考することが重要だとしたら、どうすればそれを実現できるでしょうか。

 

概念空間論では、そのために概念の集合という哲学的な考え方を用います。

 

さらに言えば、ここで扱うのはただの素朴な概念の集合ではありません。

 

概念空間論では、つねに無限に多様な」概念の集合を扱います。

 

この無限に多様な概念の集合という哲学的なアイディアこそ、私が社会に普及したいと思っている最大の考え方です。

 

では、「無限に多様な概念の集合」とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

 

もちろん、「無限に多様な」概念ですから、

 

例えば、この中にはあらゆる学問分野の概念をすべて含んでいます。

 

少し長くなってしまいますが、例えば、下記の概念のリストは、無限に多様な概念の集合の一部といえます。

 

概念の集合の事例

哲学
(無知の知、存在/無、イデア、実体、魂、形相/質料、中庸、四原因、カテゴリー、コギト、方法的懐疑、神=自然、属性、様態、モナド、予定調和、充足理由率、理性、現象、物自体、精神、弁証法、実存、倫理、絶望、永遠回帰、超人、エポケー、アポリア、差異、反復、欲望機械、脱構築etc…)

 

数学
(集合、関数、定数、変数、方程式、直線、曲線、グラフ、傾き、次数、係数、最大値、最小値、実数、整数、素数、複素数、行列、ベクトル、線形変換、群、環、体、積分、微分、極限、連続性、導関数、偏微分、フーリエ変換、帰納法、無限大、無限小、位相空間、距離、コーシー列、収束、トポロジー、etc…)

 

論理学
(前提、帰結、推論、命題、真偽、肯定/否定、演算、真理値、論理式、帰納/演繹法、逆、裏、対偶、仮定、同値、包含、矛盾、誤謬、論理関数、量化子、命題変数etc…)

 

言語学
(音素、形態素、語幹、接辞、文法、構文、語彙、形態、語法、音声、音韻、語彙意味、構造、名詞句、動詞句、文の要素、統語関係、語順、言語機能、言語変異、e)

 

心理学 
(意識、無意識、思考、感情、学習、記憶、古典的条件付け、オペラント条件付け、パーソナリティ、動機付け、人格、知能、自己効力感、発達段階、アイデンティティetc…)

 

認知科学 
(知覚、注意、記憶、思考、言語、意思決定、学習、問題解決、スキーマ、認知バイアス、認知的不協和、認知発達、パターン認識、知識表現、認知モデル、認知処理etc…)

 

統計学

(平均、中央値、最頻値、分散、標準偏差、確率分布、正規分布、二項分布、ポアソン分布、信頼区間、仮説検定、p値、相関係数、回帰直線、標本、母集団、誤差、統計的有意性、標本調査、データの可視化、外れ値、モンテカルロ法、ブートストラップ法、時系列分析、因子分析、クラスター分析、主成分分析etc…)

 

経済学

(市場、需要、供給、DS曲線、均衡、価格、弾力性、限界効用、パレート効率、総需要、総供給、貯蓄率、限界生産性、国民所得、GDP、経済成長率、失業率、金融政策、財政政策、貨幣供給、利子率、政府支出、税収、公共投資、投資、貿易収支、為替レート、経済循環、景気変動、国際収支、経済政策、完全競争、外部性、公共財、機会費用、比較優位、景気循環、インフレーション、デフレーションetc…)

 

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物理学
(速度、質量、加速度、ニュートンの運動法則、万有引力の法則、マクスウェル方程式、熱力学第二法則、シュレーディンガー方程式、プランク定数、エントロピー、電子スピン、光量子、量子トンネル効果、パウリの排他原理、ボーアモデル、ヒッグス機構、超対称性、不確定性原理、etc…)

 

化学

原子軌道、モル濃度、化学平衡、電気陰性度、共有結合、イオン結合、酸化還元反応、酸・塩基、ファンデルワールス力、水素結合、化学反応速度、触媒、電解質、同位体、結晶構造、分子軌道理論、ギブス自由エネルギー、エントロピー、ハイブリッド軌道、放射年代測定etc…)

 

生物学
(細胞、遺伝子、DNA複製、RNA転写、タンパク質合成、細胞分裂、無性/有性生殖、ミトコンドリア、葉緑体、免疫反応、共進化、自然選択、適応、遺伝子プール、ホメオスタシス、進化、形態形成、個体群動態、相互作用、食物連鎖etc…)

 

生理学

(細胞、組織、臓器、系統、ホルモン、神経伝達、心拍数、呼吸、血圧、体温、代謝、エネルギー、酸素供給、栄養素、体液バランス、筋肉収縮、神経系、内分泌系、循環系、消化系、etc…)

神経科学
(ニューロン、グリア、神経伝達物質、シナプス、シナプス可塑性、受容体、活動電位、ドーパミン、セロトニン、グルタミン酸、GABA、ミエリン、大脳皮質、海馬、脳幹、皮質下核、視覚野、運動野、脳波etc…)

 

免疫学

(自然免疫、獲得免疫、抗原、抗体、免疫細胞、サイトカイン、補体、リンパ球、ナチュラルキラー細胞、B細胞、T細胞、マクロファージ、樹状細胞、自己免疫、免疫寛容、免疫応答、免疫記憶、抗原提示etc…)

 

遺伝子学
(DNA、RNA、遺伝子、コドン、発現、クロマチン、転写、翻訳、エピジェネティクス、ミューテーション(突然変異)、遺伝子多型、遺伝暗号、染色体、遺伝子組み換え、遺伝子編集、遺伝子型etc…)

天文学

(ケプラーの法則、太陽系外惑星、恒星進化、ホワイトドワーフ、赤色巨星、超新星、惑星、銀河、銀河団、クェーサー、ブラックホール、ブラックホール、ダークマター、ビッグバン理論ビッグバン、膨張宇宙、暗黒物質、太陽風、ハッブル定数、宇宙の加速膨張、宇宙マイクロ波背景放射、重力レンズ効果、オーロラetc…)

 

 

このように無限に多様な概念の集合は、人類が歴史上作り出してきたあらゆる学問的な概念(既知の概念)を含みますし、

 

ほかにも、人類がまだ知らない、まだ開発されていない概念(未知の概念)を定義上すべて含んでいます。

 

概念空間論は、この無限に多様な概念の集合という考え方を基本コンセプトに据えながら、

 

途方もなく自由で創造的な考え方を可能にする思考ツールとして使用できるように設計・開発した理論です。

 

もし少しでも「自由に思考する」というテーマに関心を持っていただいたら、ぜひ概念空間論をツールとして使用していただけたらと思います。

 

※概念空間論、または概念の集合という考え方の具体的な応用方法については、また別の記事をお読みいただいたり、私のYoutubeチャンネルもご参考いただけたらと思います。

 

 

 

 

 

 

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