こんにちは、馬渕です。
こちらのページでは、【K領域/U領域】という概念の概要についてご紹介します。
現在、私はこのサイトでご紹介している【参照平面】という概念と、この【K領域/U領域】という概念を普及する活動に取り組んでいます。
この概念は非常にシンプルですが、学校や塾などの教育現場、学術的な場、ビジネスシーン、日常的なコミュニケーションなど、様々なシーンで役立つ考え方です。
この記事では、この概念の基本的な考え方をまとめていきます。
どの分野に携わる方にも役立つと思うので、長文になりますがお付き合い下さい。
こんな方におすすめです
✓知識・情報を整理したい方
✓記憶力を高めたい方
✓学術的な研究をスムーズに進めたい
✓教育に携わる教師、講師の方
✓読書会などのイベントを開催している方
✓多くの学問分野を学び、記憶したい方
✓大量の情報を記憶したい方
✓アイディアを生み出す力を高めたい方
【K領域/U領域】の概要&使用法
私たち人間は、普段物事について思考したり、目や耳などを通じて事物を知覚的に認識したり、様々な情報を理解・整理しながら生きていますが、
このとき常に既知/未知という「2つの領域」に関わっていると言うことができます。
私は普段、物事について思考するとき、この既知/未知というものを【K領域】と【U領域】という2つの領域に区分しています。
KとUはどちらも英訳のイニシャルに由来します。
大まかに言うと、
「K領域」(Known area)とは、既知の領域を意味します。
ここには、既存の知識・情報・知覚・理解・経験・概念・考え方・アイディアなどの認識が含まれます。
既に知っていること、分かっていること、気付いていること、理解できていること、考えたことがあること、経験したことがあること、認識できていること、、、
こうしたものすべてが含まれる領域です。
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「U領域」(Unknown area)とは、未知の領域を意味します。
ここには、未知の知識・情報・知覚・理解・経験・概念・考え方・アイディアなどの認識が含まれます。
未だ知らないこと、分からないこと、気付いていないこと、理解できていないこと、全く考えたことがないこと、経験したことがないこお、認識できていないこと、、、
こうしたものすべてが含まれる領域です。
このように自分がまだ得られていない「新しい認識」を含む領域です。
自分がこれまでに全く見たり聞いたりしたことがないものは、自分にとっての【U領域】に含まれることになります。
勿論、「広範さ」については常にK領域<U領域という不等式が成り立ち、この関係が覆ることはありません。
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このK領域/U領域という概念を使用する時は、基本的に次の2つのポイントが重要になります。
①誰にとっての既知の領域/未知の領域なのか?
②どういう意味・切り口で使うか?
この点について、これから具体例をご紹介しながら解説していきたいと思います。
【K領域】と【U領域】の具体的事例
まず、①視覚的な【K領域/U領域】の事例を挙げてみます。
■事例①目の前の景色
自分の観点から見える、眼前の景色は「K領域」で、それ以外の自分の位置から見えないところは「U領域」に属します。
「K領域」➡自分の視界(目の前の景色)に含まれているもの。
「U領域」➡自分の視界に含まれていない、見えないもの。
■事例②失くしもの
自分のスマホや財布を失くしてしまったとします。すると視覚的にはそれらは見えない(視認することができない)ため、「視覚的なU領域」に属することになります。もし見つかれば「視覚的なK領域」に移行します。
■事例③生物の細胞
私たちが肉眼で生物を観察する限りでは、細胞の構造というのは目に映ることがありません。視覚的には、そこは「U領域」にあります。電子顕微鏡を覗き確認するとき、その構造は視覚的な「K領域」に入ることになります。
■事例④書物の頁
書物を繙くとき、開かれているページは「K領域」にあり、閉じられたページは「U領域」にあります。
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次に、②【思考上のK領域/U領域】の事例を紹介します。
■事例①ミステリ小説の犯人
読み始めたばかりのミステリ小説の中で、「犯人が誰であるか」という認識は「U領域」にあり、小説を読み終える頃にはその認識は「K領域」に含まれることになる、と言えます。
■事例②学習のシーン
新しい分野の勉強をするシーンを考えてみます。この場合、既に知識があること・学んだこと・理解できたこと等は「K領域」に含まれ、未だ知識がない箇所・学んでいない事・理解できていないことは「U領域」に属します。
■事例③新種の昆虫、新しい天体
昆虫学者が森林で新種の虫を発見した場合、これまでその昆虫の存在についての認識は人間にとって「U領域」に含まれていたものですが、発見によって「K領域」に移行することになります。
同様に、天文学者が新しい天体を発見し命名するとき、その天体に関する認識は「U領域」から「K領域」に移行することになります。
■事例④数学の問題の答え/未解決問題の解法
自分が解くことができる数学の問題の解は「K領域」に含まれ、解くことができない数学の問題の答えや考え方は、「U領域」に含まれます。
また数学の未解決問題の解を導く考え方は、人類にとって思考上の「U領域」に属すると考えられます。
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このように、この概念を用いるときは、
①誰にとって?➡個人レベル、集団レベル、人類レベルなど
②どのように?➡視覚的なK/U、記憶上のK/U、思考上のK/Uなど
この2点を明確にして使用するのが大事です。
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【K領域/U領域】の使用方法
ここまでで、この対概念の基本的な意味をお伝え出来ました。
この概念は、私たちが思考するシーンではいつでも使うことができます。
そして、様々な使用方法が考えられます。
①知識&情報などを整理するための図式&記号法として
②問題解決のプロセスを記述する方法として
③新しいアイディアを生み出すための枠組みとして
④既存の思考の枠組みを外すための図式として
などなど。
ここでは、この中でも特に重要な①知識&情報などを整理するための図式&記号法としての使用法について解説していきます。
K領域とは、既存の知識・情報・知覚・理解・記憶・経験・概念・考え方・アイディアなどの認識がすべて含まれる領域でした。
U領域とは、未知の知識・情報・知覚・理解・記憶・経験・概念・考え方・アイディアなどの認識などの認識がすべて含まれる領域でした。
そこで、このKとUという文字をこのように使用します。
K→既知(知っている、理解できてる、認識できていること)
U→未知(知らないこと、理解できてない、認識できていないこと)
こうすると、例えばA,B,C,D,Eという5つの言葉(概念)があったとき
言葉A、言葉B、言葉C、言葉D、言葉E
K U K K U
こんな風に簡単に、自分の知識を整理して把握することができます。
K領域/U領域という概念は、私たちのあらゆる認識(知識・情報・概念・考え方)を分かりやすく整理し配分するための概念なのです。
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※補足;ライトエリア/ダークエリアとは?
このK領域/U領域という概念に少し手を加えて作成したライトエリア/ダークエリアという概念があります。
こちらの概念と一緒に学んで頂くと、使い方が分かりやすいかもしれません。
ライトエリア
ライトエリアとは、詳細な情報&視覚的なイメージがあり、 明瞭でハッキリと認識できる領域を意味します。既に光によって照らされている、 明るい領域のことであると言えます。
そのため、視覚的なK領域、知識上のK領域に重ね合わせられます。
ダークエリア
ダークエリアとは、 詳細な情報&視覚的なイメージがなく、 不明瞭でハッキリと認識できない領域を意味します。未だ光によって照らされていない、 暗い領域のことです。
このライトエリアとダークエリアの2つの領域の一番大きな違いは、明瞭度です。
ダークエリアは光が当たっていないために暗く、明瞭度が低い領域なのですが、新しい情報や視覚的なイメージを集めることで明瞭度を高め、ライトエリアに塗り替えていくことができます。
そのため、視覚的なU領域、知識上のU領域に重ね合わせられます。
【K領域】についての重要な補足
K領域とは「既に認識されているもの」全体の領域のことなのですが、実はK領域の中にも「未だ認識されていないこと」が多く含まれています。
既に知られている、既に理解している、既に見えている、、、というように「既知である、と考えられていること」の中には、実はそのように信じられているだけで、無数の「未だ認識されていないこと」が含まれているのですね。
そのため、【K領域】について考えるうえで極めて重要なのは、
「K領域の中にもU領域に属する新しい認識が含まれていないだろうか?」と疑う自覚的な思考、あるいは自覚的な認識となります。
■【K領域】に含まれている「【U領域】に属する新しい認識」
【U領域】についての重要な補足
「U領域」には、定義上、私たちにとってのあらゆる「新しい認識」が含まれています。
私たちが取り組むどんな問題についても、次のように想定することができます。
「あらゆる問題についての「新しい認識」は必ず【U領域】に属している」
これは、言い換えればこういうことを意味します。
あらゆる問題解決シーンにおいて、答え(解)は、必ずU領域に存在する
このように想定することで、思考を促進する手立てが得られます。
【K領域/U領域】という概念の最大の意義はここにあり、私がこの対概念を用いているのは、このような想定をするためです。
■【U領域】に含まれる新しい認識
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ここで私たちは次のような問題に直面します。
「どのようにして【U領域】に属する「新しい認識」に到達すればよいか?」
このように「自分が取り組む問題に関する「新しい認識」を得るために、どのような方法&ルートで【U領域】を踏破するか」ということが次の課題となりますが、
これは思考法の問題であると言えます。
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最後に
現在、私はこの【K領域/U領域】などの考え方を含めた幾つかの概念を普及するための活動を行っています。
これらの概念は、教育現場やアカデミズムの世界、あるいはビジネスシーンや日常生活など、あらゆるシーンで実際に活用してもらうことを想定して開発したものです。
もし記事をお読みいただき、実際に、
●学校の授業で活用してみたい
●会社などの組織・集団内での思考ツール&共通言語として使用したい
などのご要望がありましたら、個人様向け&法人・団体様向けサービスも行っていますので、ぜひ気軽にお声掛けください。
また、この概念をご自身のメディアでも使用したいという方も歓迎します。
その場合、このブログ記事のリンクを掲載して頂けるようお願い致します。
では、今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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