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思考の自由論
未概念法
概要
◆目的➡原理/方法論➡手順
●目的➡①概念の創造➡参照平面への供給/②明瞭度の上昇➡未知の領域を/③問題解決➡
●原理/方法論➜
①未概念の解説➡(※未概念➡2つの意味/未概念のイメージ(ギリシア文字)/過渡的な生成状態)
✘無からの創造➜偶然に任せることに。
②概念量/明瞭度/問題解決状況の関係
③自由性の保証➡無限に多様な思考モデルの集合(※思考モデル=パラダイム)
●手順①未概念の散布②新概念の創造③思考モデルの構築④新しい認識の獲得(明瞭度)⑤問題解決
※未概念法の詳細な実践マニュアル(割愛)
本来であれば、実践的なマニュアルを提示すべきだが、紙幅の関係で割愛する。
●注意点
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■■【未概念法】■■■
ここでは未概念法という思考方法について解説する。
未概念法は、広義の意味における問題解決のための思考の方法論である。
未概念法は、概念空間論において方法論として位置付けられる。
未概念法は、極めて強力な方法論である。
未概念法は、原理的にみて、
未概念法の目的
■未概念法の目的
未概念法の目的は、大別して3つある。
■未概念法の目的①概念の創造(参照平面への供給)
第一の目的は、新しい概念を創造することである。
※概念空間論における位置付け
概念空間論は、無限に多様な概念の集合を扱う理論/思考様式である。
無限に多様な概念の集合は、基本的には(参照平面およびK領域/U領域の枠組みを通じて)既知のグループと未知のグループに分類される。
未知の領域は、概念の不足状態にあるがゆえに未知であり、
未知のグループに分類される概念は、むろんその概念の具体的な内容は判明していない。
この未知の領域、あるいは未知のグループに新しい概念を供給するシステムが必要になる。
未概念法は、まさに供給の方法論なのである。
未概念法は、未知の領域における概念の不足状態を解消することができる、新しい方法論である。
■未概念法の目的②明瞭度の上昇
第二の目的は、認識領域における明瞭度を高めることである。
明瞭度は、
むしろ、未概念法の目的とは、認識領域Rの明瞭度を高めることである。
明瞭度を高めるプロセスで、新しい洞察を得ることができる。
問題の解を導き出す場合でも、まずは明瞭度を高めることが重要であり、(近似的に)解に限りなく近付いていく。
■未概念法の目的③問題解決
未概念法の目的は、問題を解決することである。またそのために、新しい洞察を与えることでもある。
未概念法では、必ずしも直接的に一定の解を導き出すことを目的とはしていない。
◆補足・項目1.方法論&目的(量的、質的)
概念量:
原理的には、創造できる概念量に限界がない。概念により表現されるものも。
量的➜未概念法により創造しうる概念の量は、原理的に殆ど限界がない。
概念質:創造するのは、真に価値ある概念、あるいは各問題解決の状況シーンに必要なもの
※従って、参照平面の枠組み内で用いるのが望ましい。
※概念を社会的に氾濫させることは、未概念法が意図しているものではない。
2.方法論&目的(志向性、優先事項)
近似的な認識の明瞭度の向上≧客観的な解決(直接的な解の導出)
※直接的に、問題を客観的に解決すること(客観的な解を導く)こともできるが、
それよりも認識の明瞭度が高められることを重視する。
未概念法の前提0.
問題の存在
目の前に問題が存在すること。これが未概念法を用いるうえで前提となる。問題が存在するという前提は、自明な条件であるかもしれないが、未概念法の 問題が存在するということは、その思考主体にとって既知と未知の領域が存在することを意味する。なぜなら、もし未知の領域が存在しないとすれば、そもそも問題は生じないからである。この未知の領域は、明瞭度が低い場所であり、必ず何か不明なこと(分からないこと)を含むのである。思考主体は、この既知の領域と未知の領域のファジーな境界線上に立っている。それゆえに、問題が生じるのである。
未概念法の原理と方法
■1.未概念とは
未概念とは、
未概念という言葉には、少なくとも二つの意味が重ね合わせられている。
■未概念という概念の意義➡認識の変容プロセス、流動性、明瞭度の変化、変遷
・未概念という概念の最大の意義の一つは、
思考プロセスにおいて、概念を決して固定化せず、変遷性のものと見なすことである。
問題解決において、概念は固定化されるべきではない。
■未概念のイメージ
古代ギリシア文字+◯◯
■2.未概念法の原理:表ルート/裏ルート
未概念法の原理:表ルート(概念の集合/明瞭度/問題解決=概念の不足状態の解消)
問題解決の原理(概念の不足状態)、明瞭度など
未概念法の原理:裏ルート➡概念の不足状態
裏返すと、概念の不足状態こそが、問題を解決不能の状態にさせる。
■未概念法の方法
未概念法が問題解決のためにとる方法とは、新しい概念の連続的な創造である。
問題が解決に至らない最大の理由とは、概念の不足状態にある。
未概念法は、概念の不足状態を短期間に解消することができる。未概念法は、新しい概念を創造できるがゆえに、問題解決のための極めて強力な方法論となる。
■未概念法の手順
■未概念法の手順
この方法論では、実践的な手順に入るために問題の存在を前提とすることを確認した。次に、未概念法の大まかな手順を概説したい。
手順①未概念群の散布
第一の手順は、未概念群の散布である。問題に直面する思考主体には、必ず未知の領域が存在する。未知の領域は明瞭度が低い暗がりの状態にある範囲である。未知の領域が未知であるのは、概念が不足していることによる。そのため、まず未概念を散布する。
②新しい概念の創造
第二の手順として、次のステップでは、未知の領域に散布された未概念群をもとに、新しい概念を創造する。
※第二の手順、新概念の連続的な創造をする際の注意点を幾つか述べよう。
概念量
➜未概念法で重視するのは、適切な概念量を十分な程度に至るまで増加させることである。
概念の量は、多ければ多いほどよい。一見何の役に立つか分からないような不完全/不完全な概念であったとしても、全く概念がないよりは遥かによい。
未概念の扱い方
➜未概念法では、問題が完全な解決に至るまで、あらゆる概念を未概念として扱う。重要な注意点がある。未概念法の過程で創造した新しい概念は、未概念として見做す。完成された固定的な概念とは考えない。また通常の学問的な概念を援用する場合も、未概念として捉える。思考モデルの集合を考えるため、特定の枠組みに囚われることもありえない。そのため、概念の量は多いほどよい結果に繋がる。新しい概念や思考モデル等を生み出す手掛かりとなる。
概念創造の速度➜新概念の創造は、思考スピードを意識しつつ連続的に行う。
③新しい思考モデル(枠組み構築)
第三の手順は、新しい思考モデル(枠組み)を構築することである。
思考モデル➡①自然生成
大量の概念が手元に揃うと、自然に新しい思考の枠組みができあがってくる。
思考モデルへの注意:絶対視の禁止
ただし、この思考モデルは飽くまでも未知の領域の明瞭度を高め、新しい認識を獲得するためのものである。どのような思考モデルであれ、絶対視することはありえない。
思考モデル➡②無限に多様なもの/相対化
無限に多様な思考モデルの集合:相対化、
概念空間論では、つねに無限に多様な思考の枠組みを想定する。
未概念法の過程で構築する思考モデルは、飽くまでもその一つに過ぎないものと考える。※新しい思考の枠組みは、「正しいもの」と見做すわけではない。
※新しい枠組みを構築する過程を一般化し提示することは、可能かもしれないが、ここでは敢えて述べることはしない。むしろ、ここで強調したいのは、別のことである。
概念の量➡思考モデルの自然生成
未概念法の過程で、概念の量が増えると、概念同士の新たな結び付きができ、新しい思考の枠組みは自然と浮かび上がってくるはずである。これは極めて自然な帰結として起こる。
概念の接続
なぜなら、概念とは、他なる概念から断絶した状態で存在するものではなく、本来的に相互に結び付きつつ存在するものだからだ。
概念の量の重要性
したがって、何よりも重要なのは、やはり概念の量である。未概念法において、扱う概念の量は、多ければ多いほどよい。概念空間論では、無限に多様な思考モデルを想定する。
④新しい認識の獲得=明瞭度の高まり、問題解決
第四の手順は、新しい認識を獲得することである。これまでに創造した大量の概念、および構築した思考モデルを手掛かりとしながら、新しい洞察を獲得する。この新しい認識は、未知の領域を照らし、明瞭度を高めるものである。新しい認識を連続的に獲得していき、この過程の帰結として、問題解決を図る。複数の概念の組み合わせから、新しい洞察を導くことができる。
未概念法と自由
未概念法と思考の自由
●肯定・正側面アプローチ➡多数化
無限に多様な思考モデル/パラダイム/枠組みの集合
●否定・負測面アプローチ➡思考の制限の扱い方
思い込み集合、思考の枠組み
条件の生成、暗黙の前提など
概念の量が増加すると、まず
しかし、これは問題解決のために必要な思考の枠組みの輪郭を浮かび上がらせるためであり、その思考の枠組みに囚われることはない。
■未概念法の特徴②
しかし、これは問題解決のために必要な思考の枠組みの輪郭を浮かび上がらせるためであり、その思考の枠組みに囚われることはない。
思考の枠組みとは、思考の自由さを奪う檻でもあるからである。思考の枠組みを構築しつつ、同時に思考の枠組みを疑い、破壊し、枠組みの外に出ることを行う。
未概念法の最大の特徴は、懐疑的・創造的な思考を展開することにある。未概念法は、未概念を用いて新しい概念を連続的に創造するが、概念量が増加すると、自然と新しい思考モデルが構築されてくる。
思考の限界
思い込みの集合、βバイアス解除法、条件
無限に多様な思考モデルの集合
ところが、未概念法の強みは、有限の数の思考モデルなどに囚われないところにある。
そのために、未概念法では無限に多様な思考モデル(思考の枠組み)を想定しながら思考を展開する。
この考え方によって、特定のパラダイムに囚われずに思考しうるため、問題解決の可能性が大幅に高まるのである。
この点こそ、概念空間論が途方もなく自由で創造的な思考を展開しうる最大の理由であり、
また概念空間論はそれを実現しうる体系であることを保証するものである。
思考の枠組み
懐疑的な思考方法として、しばしば「思い込みの集合」や「バイアス解除法」などの新しい概念を用いたり、思考モデルや枠組み集合を考える。 通常の論理的・数学的と呼ばれる思考方法をするのは、飽くまでも
■未概念法の概念空間論における位置づけ(思考の自由さ、)
概念の集合を既知のグループと未知のグループとに分類した。これだけでは、つまり、我々はこれまでに配られたカード、手元に揃った手札しか切ることができない。これでは思考が著しく制限されてしまう。通常、私たちは思考が制限されているのである。未概念法は、こうした思考の制限を打破する強力な方法論である。
■未概念法の意義
未概念法は、参照平面を用いる枠組みにおいて、未知の概念を殆ど無制限に供給することができる。
供給量の制約になるのは、時間、労力、思考力などである。
注意点
未概念法を自由に駆使するには、極めて高度なメタ思考が必要になる。時代的な枠組み(パラダイム)に囚われていては、未概念法を真に使いこなすことができない。自由に思考することによって、初めて未概念法の本来の威力が発揮されるだろう。
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前提:無限に多様な概念の集合➡既知と未知グループ
目的:問題解決方法:新しい概念の連続的な創造
機能:未知の概念の供給➡概念空間、参照平面へ
効果:認識の明瞭度が高められる
■未概念法の思考法としての特徴
①未概念法は、思考法としては哲学的・論理学的・数学的な特徴を持つ。
原理:問題解決
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段階1.問題-未解決状態(①②)
段階2.概念の連続的創造(③
段階3.問題-解決化状態(④⑤)
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①K領域/U領域の区分
②概念の不足状態(概念の質と量)
③概念の創造(概念量の増大➡不足状態の解消)
※必要かつ十分な量の概念の確保
④新しい認識の獲得(U領域の明瞭度が高まる)
⑤問題の解決(近似的な導出)
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