聴覚過敏のメカニズム
仕組み①聴覚路と非聴覚路(情動の回路)
聴覚過敏は、音の話ですので、やはり「聴覚」について少し触れなければなりません。
人間は、周囲の音を聞くとき、このような流れで情報を処理しています。
◆聴覚伝道路
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有毛細胞(受容器) → 蝸牛神経 → 蝸牛神経核 → 交叉(内側上オリーブ核) → 外側毛帯 → 下丘 → 下丘腕 → 内側膝状体 → 聴放線 → 横側頭回(聴覚皮質)
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聴覚過敏のメカニズムは、調べてみると「耳鳴り」のそれと近いそうで、興味深いです。
ただ、これはあまり克服に繋がる話ではなさそうなので、割愛しますね。
重要なのは、この聴覚路の反応は、連鎖的に情動の反応と強く結びついていることです。
例えば、あなたの周囲で突然怒鳴り声が聞こえてきたり、大きな音が「ガッシャーン!」と聞こえてきて、吃驚するだけに留まらず、胸の辺りが苦しく感じた経験はありませんか。
これこそ、聴覚路と非聴覚路(特に、情動の反応)が結びついた反応です。
聴覚的な過敏性を強く持つ私たちにとって、真に厄介なのは情動系の反応です。
もし大小さまざまな音が聞こえたとしても、それが我々の心をかき乱したり、強い苦しみを与える原因でないなら、まだ対処しやすかったでしょう。
ところが、情動路の反応を自分の意志で鎮めることは難しいようです。
※これまで様々な試行錯誤を重ねてきましたが、私の経験では、意志的な努力では、この苦痛を解消することはできませんでした。
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聴覚過敏のメカニズムの説は、複数あるようですが、
ここでは聴覚路と非聴覚路(情動系)の関係性という考え方をご紹介しました。
我々の経験に照らしてみても、聴覚路と非聴覚路のモデルは、正しいように感じられます。
この話は、以下の参考文献に記載されているので、読んでみるといいかもしれません。
参考文献
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仕組み②偏桃体の働き
聴覚過敏では、聴覚路と情動的な反応が存在し、後者が厄介だという話をしました。
この情動系の反応において主要な役割を果たすのが、大脳辺縁系にある偏桃体という器官です。
偏桃体は左右セットで脳の深部に埋め込まれていて、アーモンド形をしていることで有名ですね。
偏桃体は、特にストレスや恐怖を感じた時に活性化する部位です。
実はこの小さな器官は、私たちの人生を左右するほど強力な影響を及ぼします。
参考記事→人生を支配する2つの器官――前頭前野と偏桃体(coming soon)
簡単に言ってしまうと、前頭前野が優位を保てず、偏桃体に支配されてしまうと、非常に激しい感情の揺れ動きや生理学的な苦しみを経験することになってしまいます。
この偏桃体の働きをいかに抑えられるかが、聴覚過敏をはじめ感覚過敏性が強い方が「生き残る」ためにはとても重要です。
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仕組み③バランス思考が重要
聴覚過敏(感覚過敏)がなければ、もっといい人生を送れたのに‥
ディマティーニ・メソッドの紹介
聴覚過敏の傾向があることで、自分にとってどんな恩恵やメリットがあるだろうか?
最後に
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